公開日 2024年6月12日 最終更新日 2024年10月24日
日銀が17年ぶりにマイナス金利を解除
日銀は、2024年3月19日まで開いた金融政策決定会合で、「マイナス金利政策」を解除し、金利を引き上げることを決めました。
記事タイトル:金融政策の枠組みの見直しについて – 日本銀行
日銀による利上げは実に2007年2月以来17年ぶりで、黒田総裁時代の2016年1月の導入決定以来、アベノミクスの大規模な金融緩和策の柱となってきた「マイナス金利政策」を解除し、世界的に見ても異例な政策ともいえる日本の金融政策は正常化に向けて大きく舵を切ることになりました。
これまでマイナス0.1%としていた政策金利を0〜0.1%程度(無担保コール翌日物レート)に引き上げ、また、長期金利を低く抑え込むための長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)や上場投資信託(ETF)などリスク資産の買い入れ終了も同時に決定しました。
日銀マイナス金利政策解除で生活へのメリット・デメリットは?
では、日銀のマイナス金利政策解除は、具体的に私たちの生活にどのような影響を及ぼすのでしょうか?
生活面でのプラス要素は預金金利が上がること
まず生活面でプラスに働くのが、預金金利が上がることです。預金金利が上がれば、一般的に預貯金である程度の利回りが確保できるようになり、あえてリスクを負って株式や投資信託などに投資しなくても、預貯金で十分と考えるようになる人が多くなるでしょう。
極端な実例ですが、バブルが崩壊する前の日本では超高金利時代で、当時の郵便局の定額貯金の金利は実に8%もあり、100万円を1年間預けると8万円の利息が付き、約9年で倍の200万円に増加するという状況でした。
預金金利の上り幅は限定的との見立て
「年金2000万円問題」に端を発した「投資を行い、いかに老後の資金を形成するか?」という課題に対し、政府が主導で資産形成に役立つ魅力的な税制優遇制度を拡充し、「貯蓄から投資へ」というマインドが着実に広まりつつあります。
その一方で、今後日本景気が回復局面を迎え、預金金利が上昇したときに再び貯蓄へと逆戻りしてしまう可能性も無きにしもあらずです。
また、今後の日本の景気回復の見込みが低いことを踏まえれば、バブル期のような高金利な社会に戻る可能性は、限りなく低いと考えられます。景気回復と連動していないことから、金利上昇はあくまで限定的だと私は見立てています。
生活面でのマイナス要素は住宅ローン金利上昇による生活費負担増
生活面でのマイナス要素は、住宅ローン金利上昇による生活費の負担増です。世の中の金利に合わせて、ローン金利も上昇した場合、返済額が増加し家計を圧迫することは誰でも容易に想像できると思います。
マイナス金利政策解除で住宅ローン変動金利や固定金利への影響は?
住宅ローンの借入のタイミングによって、金利上昇の影響を受けるもの、受けない住宅ローンの種類があります。まずは住宅ローンの基本的な仕組みについて理解しておきましょう。
住宅ローンの種類は大きく分けて2種類
住宅ローンには主に以下の2つの種類があります。
・固定金利・・・借入期間中の金利が一定で、返済額が変わらないタイプ。将来の金利変動リスクがないため、安心して返済計画を立てることができます。
・変動金利・・・市場金利に応じて金利が変動するタイプ。借入当初の金利は固定金利型よりも低いことが多いですが、将来の金利上昇リスクがあります。
固定金利型住宅ローンはこれから借りる人のみが金利上昇の影響を受ける
金利は住宅ローンの返済額に大きな影響を与えます。固定金利、変動金利のうち、固定金利はこれから融資を受ける人が金利上昇の影響を受けることになり、反対に、住宅ローンを固定金利で既に返済中の人は、融資実行時の金利が返済期間中は変動しないため、金利上昇の影響を受けることはありません。
変動金利型住宅ローンはこれから借りる人も既に返済中の人も金利上昇の影響を受ける
一方で、変動金利型住宅ローンは、文字通り金利が変動するために、金利上昇のあおりをもろに受ける住宅ローンです。これから借り入れをされる人はもちろんのこと、現在返済中の人も金利上昇によって月々の住宅ローン返済額が増加し、家計の負担を圧迫することになります。
固定金利と変動金利はどのようにして金利変動の影響を受けるのか?
住宅ローンの金利は市場の動向に大きく影響を受けます。ここでは、固定金利と変動金利が市場の影響を受ける流れについて解説します。
固定金利の決定のしくみ
固定金利は主に以下の要因で決定されます。
長期金利
固定金利は、国債などの長期金利に連動しています。特に、10年国債の利回りが参考にされることが多く、長期金利が上昇すると、固定金利も上昇する傾向があります。2023年2023年7月以降、長期金利の上昇傾向を受けて、固定金利は各行で既に金利引き上げの動きが出ています。
記事タイトル:固定金利とは?メリットとデメリットについて
金融機関の資金調達コスト
金融機関が市場から資金を調達する際のコストも、固定金利に影響を与えます。資金調達コストが上昇すると、固定金利も高く設定されます。
固定金利が市場の影響を受ける流れ
固定金利が影響を受ける長期金利は、金融の需給バランスや短期金利の推移、物価の変動などさまざまな要素で変動します。中でも関係が深いと考えられているのが、国内景気、国内物価、為替、海外金利の4つです。
国内景気と国内物価
国内の景気動向の指標のひとつである、インフレ率やGDP成長率などの経済指標が発表されると、投資家の期待が変化し、長期金利に影響を与えます。
為替と海外金利
例えば、量的緩和政策の縮小や金利の引き上げなど、日本銀行による金融政策の変更が発表されると、国内や国外の金利市場に影響を与え、長期金利が上昇することがあります。
また、国際的な経済状況や地政学的リスクも長期金利に影響を与えます。例えば、アメリカなど海外における大規模な経済政策の変更や政治的不安が為替や金利を動かす要因となり、長期金利に反映されることがあります。
変動金利決定のしくみ
変動金利は主に以下の要因で決定されます。
変動金利は短期金利に連動する
記事タイトル:変動金利とは?特徴とメリットとデメリットについて
変動金利は、短期金利に連動しています。その指標として、一般的に「無担保コールレート(オーバーナイト)」が参考にされます。
無担保コールレートとは?
無担保コールレートは、金融機関同士が短期間(通常一晩)で資金を貸し借りする際の金利を指します。これは、日本の金融市場における代表的な短期金利です。取引の参加者は銀行や証券会社、その他の金融機関です。
日本銀行は無担保コールレートを操作目標に政策金利を決定している
1990年代以降、日本銀行はこの無担保コールレートを金融市場調節の主な操作目標として、日本全体の景気動向を見ながら市場資金の需要と供給のバランスを変化させ、政策金利を決めています。一般的に、景気がよくなると政策金利を引上げ、逆に悪くなってくると引き下げます。
参考:日本銀行ホームページ:無担保コールレート(オーバーナイト物)とは何ですか?
住宅ローン変動金利は短期プライムレートを参考にしている
金融機関は、銀行が東証一部に上場している優良企業に短期(1年未満)の融資を行う際に用いる優遇金利である「短期プライムレート」と呼ばれる指標(基準金利)の変化に応じて、半年ごと(4月・10月)に住宅ローンの変動金利の利率を見直します。(毎月見直しを行う銀行もあります)
そして、この「短期プライムレート」の変化に影響を及ぼしているのが、日本銀行の金融政策(政策金利の推移)なのです。そのため、もし日銀が政策金利を引き上げた場合は、連動している短期プライムレートや住宅ローンの変動金利も上昇することになります。
このように、金融政策に連動し、変動金利タイプの住宅ローンに適用される金利も上がったり下がったりするわけです。ちなみに、主な銀行の短期プライムレートは2009年1月13日以降、一度も変わっていません。現在、日銀が公表する短期プライムレートの最頻値は1.475%です。
例えば、政策金利が0.1%の時、住宅ローンの変動金利は短期プライムレートに1%を上乗せした金額となるため、2.475%となります。
そこから政策金利が0.1%上がり、0.2%となった場合は、住宅ローンもプラス0.1%となるため、2.575%に上昇します。このように、公表されている短期プライムレートを確認すれば、住宅ローンの変動金利は簡単に算出することができるのです。
変動金利が市場の影響を受ける流れ
住宅ローンの変動金利はこれまで説明してきたように、「短期金利=日銀の金融政策の動向」に影響を受けやすいといわれています。具体的に関係が深いのは、下記の項目です。
日本銀行の政策変更
日本銀行が政策金利を変更すると、短期金利に直接的な影響を与えます。例えば、日本銀行が金利を引き上げると、短期金利も上昇し、変動金利のローンも金利が上がる傾向にあります。
経済指標の変動
短期金利も経済指標の影響を受けます。例えば、インフレ率が高まると、日本銀行が金利を引き上げる可能性が高くなり、短期金利が上昇します。
変動金利は2009年以降金利がほとんど変動していない
短期プライムレートの推移は、日本銀行のホームページで確認できますが、主要銀行の変動金利の推移を見てみると、2009年(H 21)以降の金利は2.475%のままとなっており、金利が実質固定されているのは、短期プライムレートに変動がないからです。
マイナス金利政策解除で今後変動金利が上がる可能性が高い
しかしながら、日本銀行のマイナス金利政策解除は、短期プライムレートに対して直接的および間接的に影響を与えることが予想されます。直接的には、無担保コールレートの上昇と金融機関の資金調達コストの増加が、短期プライムレートを押し上げる要因となります。間接的には、市場期待の変化や経済活動の影響が、短期プライムレートの動向に影響を与えます。
したがって、マイナス金利政策の解除は短期プライムレートの上昇を招く可能性が高く、これにより企業や個人の資金調達コストが増加したり、住宅ローンの変動金利に影響を及ぼすことが予想されます。今後の金融政策の動向と経済状況を注視しながら、適切な対応を検討することが重要です。
変動金利の5年ルール・125%ルールとは?
マイナス金利政策の解除により、昨年からの固定金利上昇に続き、変動金利も今後上昇する可能性が高まってきました。
変動金利には、万が一の金利上昇時に返済額が一気に増えないようにするための措置として「5年ルール」「125%ルール」があります。
これらの仕組みを学んで、変動金利について正しく理解し、適切に対処することで、将来の金利上昇リスクを最小限に抑えるようにしましょう。
5年ルールとは?
「5年ルール」は、日本の住宅ローンにおける変動金利型の特有の仕組みです。このルールは、借入後5年間は金利が変わっても月々の返済額を変えないというものです。
5年ルールの仕組み
変動金利型の住宅ローンでは、通常、金利は半年ごとに見直されます。しかし、5年ルールにより、金利が上昇しても5年間は毎月の返済額が変わりません。(毎月の返済額は変わりませんが、元本と金利の内訳は変わります)
そして、5年後には、その時点で残っている元本・金利・残りの返済期間を踏まえ、毎月返済額が再計算されます。この計算が5年ごとに繰り返されることになります。
また、金利が下がった場合には返済額が減少することがあります。
5年ルールのメリット
5年ルールのメリットは以下の通りです。
・返済計画の安定:5年間は返済額が変わらないため、家計管理がしやすい
・一時的な金利上昇の影響を緩和:金利が急激に上昇しても、直ちに返済額が増えない
5年ルールのデメリット
5年ルールのデメリットは以下の通りです。
・後の返済額増加のリスク:5年後に金利が大幅に上昇している場合、返済額が一気に増加する可能性がある
・元本返済の遅延:5年間は返済額が固定されるため、金利上昇時には元本返済が進まず、総支払利息が増えることがある。
5年ルールの具体例
例えば、金利が上昇した場合を考えます。最初の5年間は、金利上昇にかかわらず毎月の返済額は変わりません。しかし、5年後の見直し時に金利が大幅に上昇していると、次の5年間の返済額は増加します。このため、5年後の金利見直し時には大幅な返済額の増加に備える必要があります。
125%ルールとは?
「125%ルール」は、金利が大幅に上昇した場合の返済額の上限を設定するルールです。具体的には、金利が上昇した場合でも、5年後の見直し時に月々の返済額が前回見直し時の125%を超えないようにするものです。
125%ルールの仕組み
125%ルールにより、5年ごとの見直し時に返済額が急激に増加することを防ぎます。具体的には、以下のように計算されます。
1.前回の返済額×125%:5年間の返済額が変わらないため、次の5年間の返済額は前回の返済額の125%以内に収まるように設定されます。
2.金利上昇時の返済額:金利が大幅に上昇した場合でも、返済額が前回の返済額の125%を超えないように調整されます。
125%ルールのメリット
125%ルールのメリットは以下の通りです。
・返済額の急増を防ぐ:金利が大幅に上昇しても、返済額が急激に増えることを防げるため、家計への負担が緩和されます
・返済計画の安定:一定の範囲内で返済額が抑えられるため、長期的な返済計画を立てやすくなります
125%ルールのデメリット
一方、125%ルールのデメリットは以下の通りです。
・返済期間の延長:返済額が抑えられる分、元本の返済が進まず、結果として返済期間が延びる可能性があります
・総支払利息の増加:返済期間が延びることで、支払う利息の総額が増える可能性があります
125%ルールの具体例
例えば、前回の返済額が10万円だった場合、125%ルールにより次の返済額の上限は12万5千円となります。金利が大幅に上昇した場合でも、次の5年間の返済額がこの上限を超えないように設定されます。これにより、急激な返済額の増加を防ぎ、家計の安定を図ります。
5年ルール・125%ルールは「元利均等返済方式」に適用される
住宅ローンの返済方式には主に「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類があります。
このうち、5年ルール・125%ルールが適用されるのは元利均等返済方式を使用した場合に限ります。
元利均等返済とは?
元利均等返済とは、返済期間を通じて毎月の返済額(元金+利息)が一定になる返済方式です。初期の段階では返済額の大部分が利息の支払いに充てられ、徐々に元金の返済額が増えていきます。
元利均等返済の特徴
・返済額が一定:毎月の返済額が一定なので、返済計画を立てやすく、家計管理がしやすいです
・初期負担が少ない:返済初期の月々の負担が比較的少なくなるため、ローンを組みやすいです
元金均等返済とは?
元金均等返済とは、毎月の返済額のうち元金部分が一定になる返済方式です。利息は残高に応じて計算されるため、毎月の返済額は次第に減少していきます。
元金均等返済の特徴
・元金が一定:毎月返済する元金が一定であるため、元金の減りが早いです
・利息が減少:返済が進むにつれて、利息の支払いが減少します
元金均等返済とは、元金部分を一定にして利息を加えて支払っていく方法なので、 利息が支払い時期に応じて変わっていくため、5年ルール・125%ルールの適用対象外となります。
変動金利の盲点とは?5年ルールと125%ルールの限界
では、変動金利は5年ルールと125%ルールがあるから金利上昇時も本当に安心できるのでしょうか?実際にシミュレーションをして検証してみたいと思います。
上記の条件で、毎月返済額を計算し、5年ごとに1.25倍に毎月返済額が増える金利が一体いくらなのか?シミュレーションをしてみました。
返済期間 | 適用金利 | 毎月返済額 | うち元金 | うち利息 |
---|---|---|---|---|
借入当初 | 0.65% | 119,820円 | 95,445円 | 24,375円 |
6年目 | 2.3% | 149,775円 | 76,844円 | 72,931円 |
11年目 | 4.44% | 187,218円 | 64,532円 | 122,686円 |
16年目 | 7.31% | 234,022円 | 58,538円 | 175,484円 |
21年目 | 11.35% | 292,527円 | 60,113円 | 232,414円 |
26年目 | 17.63% | 365,658円 | 75,650円 | 290,008円 |
31年目 | 30.81% | 457,072円 | 135,352円 | 321,720円 |
※1 数値は独自に計算しています。端数調整の関係で、実際の返済額とは異なる場合があります
※2 総支払額は最終返済月で残高の端数調整を行っているため、各月の返済額の総計とは異なります
まず、借入当初の毎月返済額は119,820円となります。
その後、6年目については、借入当初の毎月返済額119,820円の1.25倍で149,775円となり、この時の金利は2.3%です。
続いて11年目は、6年目の毎月返済額149,775円の1.25倍で187,218円となり、この時の金利は4.44%となります。
さらに16年目は、11年目の毎月返済額187,218円の1.25倍で234,022円となり、この時の金利は7.31%となります。
続いて21年目は、16年目の毎月返済額234,022円の1.25倍で292,527円となり、この時の金利は11.35%となります。
次の26年目は、21年目の毎月返済額292,527円の1.25倍で365,658円となり、この時の金利は17.63%となります。
最後の31年目は、26年目の毎月返済額365,658円の1.25倍で457,072円となり、この時の金利は30.81%となります。
5年ルールと125%ルールの限界値は非現実的な金利であることが明確
以上のシミュレーションからわかることは、5年ルールと125%ルールが効果を発揮するには、非現実的な金利の急上昇がなければ成り立たないということが明確です。
利息制限法があるため、一定条件で金利に制限がかかる
また、日本には消費者保護の目的で、「利息制限法」という法律があります。
利息制限法は、貸金業者が貸し付ける際に適用する利息の上限を定めた法律です。この法律により、消費者が過剰な利息を支払わされることを防ぎます。対象金融商品は、消費者金融、クレジットカード、銀行の個人向けローンなど、個人が借りるほとんどの貸付に適用されます。
利息制限法の目的
・過剰な借金:高すぎる利息を設定されることで借金が雪だるま式に増えることを防ぎます
・貸金業者の悪質な行為の防止:貸金業者が不当な高利で貸し付けることを防ぎます
利息制限法の上限金利
利息制限法は、借入金額に応じて利息の上限を定めています。具体的には以下の通りです。
・借入金額が10万円未満の場合:年20%
・借入金額が10万円以上100万円未満の場合:年18%
・借入金額が100万円以上の場合:年15%
このように、金融機関がとる金利に上限を定める法律があり、上限金利は15%です。そもそも住宅ローンなどの高額融資でそこまでの金利上昇になる可能性は、限りなくゼロに近いですが、こうしたセーフティネットが法制度であることは知っておくとよいでしょう。
5年ルールと125%ルールのない銀行もある
5年ルールと125%ルールはあくまで個々の銀行が個別に採用している制度であって、すべての銀行に採用されているわけではありません。
例えば、ソニー銀行とSBI新生銀行、PayPay銀行などは「5年・125%ルール」を採用していません。
1.ソニー銀行:市場での金利スワップ手法を活用し、毎月基準金利を決定 *1
2.PayPay銀行:お客さまへの影響・市場金利の動向などを総合的に勘案して決定
3.SBI新生銀行:毎月決定する基準金利は指標とする市場金利があるものではなく、特定の市場金利には必ずしも連動しておりません。毎月見直しを行い、資金コストや営業コスト、収益および金融情勢を勘案し、独自の判断で決定
*1 毎月決定する基準金利は、資金コスト(住宅ローンの貸し出し資金をソニー銀行が調達するために必要なコスト)や営業コスト、および収益を加味して決定されます。最も大きな変動要因は資金コストで、このコストは変更日前数ヶ月における銀行間で取引されている金利の動向や、国債の利回りの動向など、該当する期間の指標と連動して上下します。
銀行によっては、5年ルール・125%ルールをうたい文句にセールスを行っていますが、このルール自体が家計負担の軽減につながるかどうかは不透明なので、こうしたルールのない銀行を選択肢にいれることもお勧めします。
まとめ
金利上昇時の住宅ローンに関する「5年ルール」と「125%ルール」を理解し、適切に対応することは、将来の金利リスクを軽減し、安定した返済計画を維持するために非常に重要です。金利動向を注視し、ライフプランを立て、余裕を持った返済計画を立てることで、将来の不安を減らし、安心して住宅ローンを返済していくことができます。
金利上昇に備えるためには、今からできる対策をしっかりと実践し、将来のリスクに備えることが重要です。この記事を参考に、自分に合った最適な返済計画を立て、安定した生活を送るための一助としてください。
株式会社Erwin 代表取締役
マイホーム購入の相談窓口 代表、ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー、住宅FPエキスパート。不動産や住宅予算診断、住宅ローンの専門家として、第三者的な立ち位置からのお金の専門家として、その後の人生を考えた上でのアドバイスを行っている。不動産に関わる知識や税務などのライティングに携わる。