公開日 2022年7月25日 最終更新日 2023年5月22日
今回は注文住宅を購入する際の住宅予算をテーマとしてお話します。
私たちがマイホームを建てるときに住宅予算として考えないといけないのは、大きく分けると下記のように「土地」と「建物」、「諸費用」の3つの費用になります。
大きく分けるとたった3つですが、実はこの3つの費用のバランス配分が「理想の家づくり」の成功に大きく影響します。私たちはこの3つの費用をどのような順序でどのように優先順位をつけて検討すればよいのでしょうか?
複数回に分けて住宅予算について説明していきたいと思います。今回は大枠の3つの住宅予算を考える上で重要なポイントをお伝えします。
住宅予算(土地・建物・諸費用)を考える上で最も重要なこと
私たちがマイホームを建てたいなと思ったときに、何気なしに住宅展示場や不動産会社へ足を運ぶと思います。
その際にみなさんは自分の理想の立地(エリア)や理想の間取りなどをイメージしながらそれらを訪れるかと思います。
例えば、理想の土地であれば
- 職場に交通機関を利用して30分圏内でたどり着ける場所がいいな
- 最寄りの駅から10分圏内が理想的
- 災害に見舞われない地域に家を建てたい
理想の建物であれば
- 大きなリビングにあこがれる
- 吹き抜けがビジュアル的にもいいな
- キッチンは対面で広いほうがいい
など、現地の営業さんにひと通り理想のイメージをお伝えすることになります。営業さんはそれに見合った土地や間取りのプランを提示してくれます。
住宅会社を訪れると夢が膨らみ、最後に予算の提示があり現実に戻ることに
そして、将来の憧れのマイホームの夢が膨らんだところで最終的にそのプランの合計金額(予算)が初めて提示される・・・といった流れになります。ここで初めて皆さんはふと我に返ることになります。
- こんなに払っていけるのかな?
- こんなに住宅費用をかけて大丈夫なのか?
- 今の家賃と同額だから(多分)大丈夫かな?
- 事前審査の結果銀行が住宅ローンを貸してくれるようなので大丈夫かな?
お金に困っていないご家族以外は大半の人がこのようなもやもやした思いが生じることになります。
そして、何となしにそのまま住宅会社と契約してしまった場合、このもやもやはずっと続くことになります。
約4.5割の人がハウスメーカーについて住宅展示場で情報収集している
そして住宅取得後5年~10年後に後々気づくのが、
- 最近貯金が全然増えないな
- ここ数年貯金が目減りしてしまうな
という状況です。あこがれのマイホームを取得したのに、頭の中は今後の節約のことばかり・・・
このような状況の世帯は実際に多いのが実態です。
下記は既に近畿圏で住宅を取得された方に対する令和2年のアンケートで、全体の44.8%の人がハウスメーカーを選ぶ際に住宅展示場を訪れているという結果があります。(国土交通省 住宅局 令和2年度住宅市場動向調査報告書による)
それ以外に上位に並んだものは、人からの「紹介」で31%、次いで「インターネット」で17.2%、ハウスメーカーが「親族や知人の勤め先」で13.8%という結果になっています。
こうした情報収集を経てマイホーム取得に至り、その後の生活の状況についてわかるのが下記のアンケートです。
全体の約5割以上の人が住宅取得後の住宅ローンに負担感がある
近畿圏で住宅取得済みの方を対象にした国土交通省 住宅局 令和2年度住宅市場動向調査報告書によると、住宅取得後の住宅ローンの返済で「非常に負担感がある」「少し負担感がある」と答えた人が全体の5割以上に上るという結果が出ています。
ハウスメーカーの情報収集で住宅展示場を訪れ、あるいは親しい方からの紹介や親せきや友人が勤めるハウスメーカーで家を建てた結果、後々住宅ローンの返済で苦しんでいるという現実を皆さんはどのように感じますか?
ハウスメーカーの正しい選びかたは無理のない住宅予算で家づくりが可能な会社を選ぶこと
アンケート結果は、ハウスメーカーの間違った選びかたと言えます。それによって誤った住宅予算で後々住宅ローン返済に困っている家庭が多いのが実態です。たとえ親戚や友人がハウスメーカーに勤めているという理由でハウスメーカーを選んだとしても、その親戚や友人は自分たちの家計の状況など知るよしもありません。ハウスメーカーの正しい選びかたは無理のない住宅予算で家づくりが可能な会社を選ぶことなのです。住宅展示場やインターネットで下調べをしてせっかく思い通りのハウスメーカーを決めることができても、決してそれは家づくりの成功とは言えません。なぜならそうしたハウスメーカーの選び方は住宅取得後も無理なく住宅ローンを返済しながら安心して暮らせる約束はほぼないに等しいからです。
ハウスメーカーでは将来の無理のない資金計画を立ててくれる営業はほぼいない
ハウスメーカーの営業さんは家を売るプロであってもお金のプロではありません。もちろん営業の現場ではお客様の家づくりにおける土地や建物のご要望をもとに「資金計画」を立ててくれますが、その「資金計画」とはあくまで今現在そのご家族が理想の家が買えるかどうかのジャッジであって、将来にわたり無理のない返済を約束する「資金計画」ではないのです。無論そうした「売り手」の立てた「資金計画」では、無理のない住宅予算で家づくりをすることはほぼできません。住宅取得後のお金のやりくりは神頼みになってしまうでしょう。
住宅展示場で紹介されるファイナンシャルプランナー(FP)は全く参考にならない
住宅展示場で営業さんから提示された「資金計画」に不安を抱えた場合、現場でファイナンシャルプランナー(FP)を紹介されるケースがあります。そうしたFPはお金のプロフェッショナルではあるものの、あくまで「売り手」側の立場で対応するため、「お客様の立場」で将来の資金計画を立ててくれることはまずありません。なぜなら、それらのFPはハウスメーカーの依頼を受けて仕事をしているので、「お客様の立場」を通して無理のない予算を立てた結果、紹介元のハウスメーカーでは予算オーバー=自分の職を失うためです。そこで仕事をしているFPさんは「売り手」と組んでいると思っていただいて概ね間違いありません。
ハウスメーカー選びの前に無理のない住宅予算を知るのがとても重要
話を戻しまして、住宅展示場やインターネットで自分たちに合ったハウスメーカーを選ぶ前にすることがあります。それは自分たちにとって無理のない住宅予算を知ることです。冒頭の話で、私たちがマイホームを建てるときに住宅予算として考えないといけないのは、大きく分けると「土地」と「建物」、「諸費用」の3つがあるとお伝えしました。これらの予算の内訳けを考える大前提として、「いくらまでなら」返していけるのか?をまず考える必要があります。無理のないトータルの返済額がわかればあとはその予算内で「土地」や「建物」「諸費用」のバランスを考えるだけです。バランスを考える中で予算内で家づくりができるハウスメーカーを選ぶ・・・という流れで家づくりができれば後々返済に困ることはそうありません。
まとめ
正しい住宅予算を考える上で
従来の流れとして、住宅展示場やインターネットで
- ハウスメーカーを選び、
- 「売り手による」資金計画を立てる
- 土地や建物のプランを立てる
というパターンは、アンケートの通り住宅予算の面で失敗する可能性が高くなります。
そうではなく、
- 自分たちにとって適正な住宅予算を知る
- 予算のバランスを考える(土地や建物、諸費用)
- ハウスメーカーを選ぶ
という流れがお金においても家づくりにおいても失敗しない唯一の方法です。
次回は住宅予算を知るうえで冒頭でお話ししました土地や建物、諸費用のバランスについてお話しします。
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わたしたちのミッションは家を売ることではありません。適正予算を把握しないで商談に挑んだ結果、住宅予算とコスト(返済)とのミスマッチで後々泣く泣くマイホームを手放す人が増加している中、一人でも多くのお客様がそうした住宅予算のミスマッチを無くしていくことがわたしたちの役割です。
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株式会社Erwin 代表取締役
マイホーム購入の相談窓口 代表、ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー、住宅FPエキスパート。不動産や住宅予算診断、住宅ローンの専門家として、第三者的な立ち位置からのお金の専門家として、その後の人生を考えた上でのアドバイスを行っている。不動産に関わる知識や税務などのライティングに携わる。